鈴木 伸之のブログ

2017.12.20

65歳以上で障害年金を申請する方法とは?

 

「現在、70歳ですが障害年金を貰えますか?」

 

最近こんな相談を受けました。

 

実は、私が日本年金機構で障害年金の審査担当だった時に、同じような質問を複数の市役所からも受けましたので、今回はこの事について少し書きたいと思います。

 

通常の社労士の障害年金サイトでは「65歳未満」と書かれているものが多く、スズキ事務所でもそのように書いてあります。

 

しかし、当然のことながら例外もあります。

 

その例外とは障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)では違いがありますので、分けて書きます。

 

 

障害基礎年金

①初診日が65歳前。

②保険料納付要件を満たしている。

③障害認定日で障害等級(1級、2級)に該当している。

 

 

ご質問にあります70歳の方が障害年金の請求をする場合は次の診断書が必要になります。

 

・障害認定日当時の診断書

・現在の診断書

 

※障害年金の「請求日」と「障害認定日」が1年経過前であれば、障害認定日当時の診断書だけで請求可能。

 

 

通常、遡り請求の場合は、このどちらかの診断書で障害等級に該当すれば障害年金の受給権が発生します。

 

しかし、65歳以上の方が請求する場合は、障害認定日当時の診断書で障害等級に該当しなければ、現在の診断書は審査の対象外となります。

 

なぜならば、事後重症請求(現在の診断書での請求)は65歳以降、認められていないからです。

 

65歳以降の方が障害年金の請求をするハードルが高いのが実はここです。

 

・障害認定日当時の症状は悪くなかった

・障害認定日当時は通院していなかった

・障害認定日当時のカルテが残っておらず診断書が取得できない。

 

 

これらに該当すると障害年金の請求は事実上できなくなります。

 

 

 

障害厚生年金

①初診日が厚生年金に加入中。

②保険料納付要件を満たしている。

③障害認定日で障害等級(1級~3級)に該当している。

 

 

考え方は障害基礎年金と同じですが、違いは①です。

 

その理由は、厚生年金は原則70歳まで加入できるからです。

※国民年金は原則60歳まで。

 

しかし、注意点があります。

 

65歳以降に初診日がある方は、仮に障害認定日に障害等級2級以上になっても支給されるのは障害厚生年金だけで障害基礎年金は支給されません。

 

なぜならば障害基礎年金の「①初診日が65歳前」に該当していないからです。

※法律的な理由とは違いますが、結論は同じです(笑)

 

 

さらに障害基礎年金、障害厚生年金に共通して気を付けておくべきは次の2点

 

・障害年金の受給権発生から5年以上経過している分は時効で支給されない。

・老齢年金(65歳以上)と障害年金(2級以上)は一部選択。

 例)

 ・老齢厚生年金+障害基礎年金(この組み合わせが一番多い)

 ・老齢厚生年金+老齢基礎年金

 ・障害厚生年金+障害基礎年金

 

 

 

※今回は分かりやすさを重視していますので、法律の条文と異なっていたり、特別な例外(旧法、はじめて2級など)は省いて記載しております。

 

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