鈴木 伸之のブログ

2016.10.12

うつ病と抗うつ薬② SSRI

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

従来の抗うつ薬の副作用の原因は、「モノアミン以外の様々なところに薬が作用してしまう」という考えのもと、モノアミンに対してのみ効果を発揮する薬として開発されたのが「SSRI」です。

 

SSRIはモノアミンのうち、特に「セロトニンだけを選んで濃度を増やす」という特徴があります。

セロトニンは落ち込みや不安といった感情に関係している物質で、これが減ることで落ち込みや不安が大きくなります。

そこでセロトニンが吸収、分解されることを防ぐことで量を増やし、うつ病の症状を軽減することを目的とした薬です。

SSRIはしっかりと効果が出るので、現在うつ病治療の第一選択薬となっています。

 

しかし、SSRIは副作用が少なくなっていますが、それでもゼロと言う訳ではありません。

よく挙げられるのが吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢と言った消化器官に関する症状です。

これらは、セロトニンが消化器官の運動にも関わっているから起こる症状と言えます。

セロトニンは気分をリラックスさせる物質であるため、その影響で性機能障害もよく起こる症状です。

さらに眠りに関わる症状も多く聞かれます。

抗うつ薬は全般的に眠気を引き起こしやすいものですが、SSRIは逆に不眠になることもあります。

セロトニンは体内時計に関わる物質でもあり、刺激されることで逆に不眠になってしまうからです。

 

これらの症状は飲み始めてすぐに表れ始める場合もありますが、そのうち消えていきます。

しかし、まれに継続的に症状が続くこともあるので、医師に相談しながら治療を進めていく必要があります。

 

 

SSRI

  一般名      商品名

 フルボキサミン   (デプロメール、ルボックス)

 パロキセチン    (パキシル)

 セルトラリン    (ジェイゾロフト)

 エスシタロプラム  (レクサプロ)

 

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