鈴木 伸之のブログ

2016.08.17

がんと障害年金

めずらしく、障害年金の記事を見つけました。

 

私は精神疾患専門の社労士ですが、審査部門在籍中、がんの障害年金の等級決定にも関与していましたので、少し記述させていただきます。

 

 

-------------------記事要約-----------------------

 

障害年金は「がん」でも受給できる!

 

がんが治って仕事に復帰できるのがいちばんだが、それも難しい場合は公的な年金保険の「障害年金」を受給できないか年金事務所に問い合わせてみよう。

 

「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」には、「悪性新生物による障害」という項目があり、がんも障害年金の給付対象に含まれているのだ。

 

ただし、がんになれば誰でも障害年金をもらえるわけではない。

がんによる障害は、目に見える分かりやすいものばかりではないため、それが受給の難しさにつながっている面もある。

 

ダイヤモンド・オンライン 8月12日

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実際にがんの障害年金の申請で一番多いのが「直腸がん(人工肛門造設)」です。

その理由は、人工肛門を造設した事実で障害等級3級となるため審査が通りやすいのです。

また、医療機関で障害年金の申請を勧められるケースもあるそうです。

 

ただし、障害厚生年金は1級から3級まであるため良いのですが、障害基礎年金は1級から2級までしかないため、人工肛門の造設だけでは障害基礎年金の審査は厳しいのが実情です。

 

障害認定基準には、がんで障害等級2級になるため、次のように記載されております。

 

   2級  衰弱、又は障害のため、一般状態区分表のウ、又はエに該当するもの

 

  一般状態区分表

 

ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできな

  いが、日中の50%以上は起居しているもの

 

エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床

  しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

 

 

この記載だけを見ると、診断書の一般状態区分表が、ウ又はエに〇がつけば2級になりそうですが、実際には、その他にも検査結果や、自覚症状、他覚所見の記載が重視されます。

 

たまに、自覚症状「なし」と記載のある診断書を見かけますが、主治医にきちんと自身のつらい症状などを伝えなければ、審査は厳しくなりますので注意してください。

 

 

このように障害年金に関する記事があると、多くの方に制度を知ってもらえるので嬉しくなりますね。

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