「障害年金の審査をしていた鈴木さんから見て、良い社労士の見分け方とかありますか?」
相談者からこんな質問をよく受けます。
私は日本年金機構で大勢の社労士の書類を審査してきましたので、書類を見れば優秀な社労士は分かります。
しかし、そんな私でもHPから優秀な社労士を判断するのは不可能です(笑)
社労士のサービスは普通の商品と違って形がありません。
そのため社労士のHPには過剰な表現が蔓延しています。
「私には特別なノウハウがあります」
「高度な専門性があります」
「障害年金を知り尽くしています」
「プロ中のプロ」
今や「言ったもん勝ち」の世界です(笑)
そのあまりにも過剰な表現から厚生労働省や身内である社労士会からも問題視されています。
そこで今回は少しでも社労士選びに役立てるように、私から見て専門性に疑問を感じさせる社労士について書きたいと思います。※あくまでも私の個人的な見解です。
それはズバリ「 審査請求を避けている社労士 」です。
障害年金には新規請求と審査請求があります。
・新規請求=初めて障害年金の受給を求めるための手続き。
・審査請求=行政が決定した内容について、その決定を覆そうとする手続き。
難しいのは「審査請求」です。
審査請求は、障害年金の手続きの中で最も専門性が要求され、社労士がやりたくない業務とも言えます。
なぜか?
新規請求は案件を選べます。
つまり、難しい案件は避けて簡単な案件ばかりを選べば、専門性がそれほどない社労士でも業務はできます。
成功率の高い社労士が大勢いるのは、こういった事情があります。
しかし、審査請求は行政が決定した処分を覆そうとする手続きの為、すべてが難しい案件です。
もうお分かりですよね。
初めから難しい案件を避けている社労士に高度な専門性があるとは思えないのです。
では、どうやってHPでそれを判断するのか?
私が社労士のHPで確認しているのは、次の2点です。
1、 料金ページに審査請求の記載がない。
2、「 着手金 」が新規請求は格安なのに、審査請求だけ高額に設定している。
1は、説明不要ですよね(笑)
2は、例えばスズキ事務所の着手金は、新規請求は2万円ですが、審査請求は3万円です。
その差は1.5倍。私が見た限り2倍以内というのが相場です。
しかし、中には5倍とか10倍のところがあります。
ここまでの差だと「初めから受ける気ないだろ?」と感じます(笑)
実際、以前マスコミの記事で「審査請求の依頼がこないように、高い料金設定をしている社労士」が紹介されていました(笑)
ただし、「審査請求の料金が安い」「審査請求をたくさんやっている」からと言って優秀とまでは言い切れません。
私は日本年金機構で審査請求の担当もしていました。
審査請求書を見ると社労士の力量が手に取るようにわかります。
本当にピンキリです(笑)
残念ながら審査側をうならせる書類を作れるのは、一握りの社労士だけ。
それが現実です。
ただし、それをHPから判断するのも無理です。
優秀な社労士は職人系の方が多く、HPが地味だからです(笑)
最近、スズキ事務所では複雑な審査請求を立て続けに受任しております。
状況確認のため年金事務所に行きましたら、馴染みの担当者から
「そんな案件まで引き受けているのですか?」
と驚かれました(笑)
他にも「社労士の選び方」を書いている社労士がいますが、注意していただきたいのは「良い」社労士の選び方だと
「自分に都合の良い条件」
を書いている方が少なくありません(笑)
そのため今回は、逆の事を書いてみました。