TMS(経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう))とは、うつ病の改善に用いる治療法の一つです。
現在、うつ病の改善については抗うつ薬など薬物療法が中心です。
そのため、副作用による症状や飲み合わせ、薬の取扱いについても注意する必要があります。
TMSでは、薬物治療とは違ったアプローチでうつ病を改善していく治療法として、現在注目されてきています。
イギリスで考案されアメリカで開発された治療法であり、磁気の刺激によって脳の機能を高めることでうつ病による諸症状を改善しやすくすることを目的としています。
TMSを受けるにあたり向いている人としては、薬では治療の効果が得られない難治性のうつ病の方や薬の副作用が気になって仕方ない方です。
TMSのメリットとしては、副作用が全体的に少ないという点でとても有用です。
※てんかんをお持ちの方は注意が必要です。
TMSが効く仕組みは、磁気を用いることにより脳の中にある特定の部位に働きかけて脳神経を活性化させます。
その結果、脳の中で低下してしまった機能を回復させて、うつ状態を改善しやすくするというものです。
日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬品局から、2008年に正式に認可を得ているためアメリカでは一般的に用いられています。
ただし、この治療法には注意点もあります。
日本においてはまだ認可されていない治療法のため、日本国内において導入している医療機関は限られています。
大きな都市の病院であれば、TMSを受けられる可能性はあります。
ただ、実際には脳卒中の後遺症のリハビリ目的で導入されているところが多く、うつ病の治療目的で導入しているところは限られています。
また、価格については保険適用外なので全額自己負担です。
本人の症状にもよりますが、通常は約1ヶ月以上通院することになり、治療費については約50万円以上かかる所も多く、日本国内ではまだ知名度があるわけではありません。
それでも、近い将来にはTMSを使った治療法が薬物治療と同じく治療法として有効になっていく可能性は高いといえます。