ある日の夕方、お客様の所に行く直前に電話がかかってきました。
「ホームページを拝見しました。鈴木先生は障害年金の元審査官ということで、ぜひセミナー講師をお願いしたい。」
実は、前にも別の会社から似たような電話を受けたことがあります。
「元審査官の社労士というのは非常に珍しい。ぜひお話をお伺いしたい」
その時は諸事情があり、お断りしました。
今回のケースでは、この大手企業の会員の障害年金を業務としている社労士に対して障害年金の講師をしてほしいとの事。
とはいえ、一般の社労士であれば自分の経験や考えを話せばよいのですが、私のように行政側で審査をしていた人間が話すとなると問題が生じます。
それは守秘義務です。
当然、参加する社労士の方々は、障害年金の審査実務、診断書のポイント、認定医師の考え方など通常社労士では知ることが不可能な情報を知りたいものです。
しかし、それを話すと守秘義務違反になる可能性があります。
逆に守秘義務を考えながら話すと参加者を満足させることができなくなります。
どちらにしても不都合が生じます。
それともう一つ理由があります。
それは一部の社労士による問題行動です。
去年、社労士会から次のような注意喚起がされました。
「一部の社労士が医師に対して不適切な働きかけを行っている。」
また国の障害年金の専門家会合でもこの事が話題になっています。
おそらく医師から厚生労働省や社労士会へ情報提供や苦情があったものと思われます。
このような社労士に障害年金の審査の事など話したら悪用されるのは明らかです。
※この会社の会員の中にそういう社労士がいるか分かりませんが、伝言ゲームのように伝わる可能性があります。
そのため今回も丁重にお断りしました。
私が持っている独自の実務経験や知識は、私の中に留めておきます(笑)
もちろん私は絶対に悪用はしませんよ(笑)