「うつ病のような症状だけど、本当にうつ病なのだろうか?」
そんな時には、うつ病を数値で判定できる光トポグラフィー検査が有効です。
この検査は、脳が活発に動いている時と平常の時の血流量を検査し、そのパターンからうつ病、双極性障害、統合失調症を判定しようというものです。
そのパターンとはこんな感じです。
・健常者・・・・・・・・速やかに血流量が上昇、高い値をキープ
・うつ病・・・・・・・・血流量の上昇がほとんど見られない
・双極性うつ病・・・・・血流量がゆっくり上昇
・統合失調症・・・・・・不規則な上昇と下降が見られる
ただし、あくまでも光トポグラフィー検査でわかるのは血流量で「病名」を判定するだけなので、病気の重症度などは分かりません。
利点
光トポグラフィー検査の利点は、客観的な数値で病名を判定することができます。
基本的にうつ病は問診で診断します。
しかし、問診の場合は医師の臨床経験や技量によっては間違った病名診断が行われる可能性があります。
うつ病と診断されて抗うつ薬を処方されていた方が、光トポグラフィー検査によって双極性障害と診断された人もいます。
双極性障害の方がうつ病の薬を飲むと症状が悪化するケースがありますので、このようなときに有効な検査となります。
注意点
光トポグラフィー検査の診断精度は60~80%程度とも言われており、100%の精度で判定できる検査ではありません。
あくまでも「診断の補助」という位置づけです。
例えば、長年うつ病と診断されて抗うつ薬を処方されていた方が
「治りがどうも悪い。本当にうつ病なのか?」
このようなときに主治医の判断で使用が検討されます。
そのため初診の時にいきなり光トポグラフィー検査をするようなものではありません。
長年、治療しているが薬の効果が感じられない方は、一度主治医に相談してみてはいかがでしょうか。