うつ病と抗うつ薬① 三環系 四環系

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うつ病と抗うつ薬① 三環系 四環系
日時:2016年10月 5日 AM 09:00

 

うつ病の治療として一般的なのが抗うつ薬によるものです。

心の病気に対して薬を飲むことに抵抗を覚える方やその家族も多くいて、中には「依存性が怖い」と言って頑なに飲もうとしない方もいます。

しかし、抗うつ薬の服用はうつ病治療に非常に重要な役割を果たします。

うつ病は、脳の神経が正常なバランスを失っている状態であり、抗うつ薬はそのバランスを取り戻す役割を果たします。

心という曖昧なものに効くのではなく、「脳内の神経伝達系に作用する薬」であるという知識をしっかりと持つことが大切です。

抗うつ薬には、神経伝達物質の種類に応じていろいろなものがあり、それぞれに特徴がありますので詳しく見ていきましょう。

 

 

三環系抗うつ薬

抗うつ薬の中で最も古い歴史を持つものは、「三環系」と呼ばれるものです。

1950年頃から使われています。

三環系抗うつ薬は、モノアミンの再取り込みを阻害することで、うつ状態を解消することを目的とします。

モノアミンとは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンと言った脳内の神経伝達物質の総称で、主に感情に関わる物質であると考えられています。

これらが減ると感情に異常をきたし、うつ状態になってしまうということです。

モノアミンの吸収、分解を行うのはアミンポンプと呼ばれる神経細胞で、この薬ではこのアミンポンプの動きを止めることで、モノアミンの量を増やすのです。

しかし、三環系抗うつ薬は、古いため狙った働き以上にいろいろなところに作用してしまい、副作用が多いことで知られています。

具体的な症状としては口が渇く、便秘、排尿困難、めまい、ふらつきなどが挙げられます。

一度に大量に服用すると命にかかわることもあり、最近では他の種類の薬が効かない場合など、ごく限られた場面のみ使われています。

 

 

四環系抗うつ薬

副作用の多い三環系の問題を解消するために作られたのが、「四環系」と呼ばれる種類です。

これはノルアドレナリンの再取り込みを阻害するタイプの薬ですが、従来のものに比べると口が渇く、排尿困難などの副作用の症状が弱く、効果も早く出るようになりました。

ただその反面、肝心の抗うつ効果が低くめになっています。

四環系は眠気をもたらす効果が高いと言われており、睡眠障害を伴ううつ病に対して使われることが多い薬です。

 

 

 

三環系抗うつ薬

  一般名       商品名

 アミトリプチリン  (トリプタノール)

 ノルトリプチリン  (ノリトレン)

 イミプラミン    (トフラニール)

 トリミプラミン   (スルモンチール)

 クロミプラミン   (アナフラニール)

 ロフェプラミン   (アンプリット)

 ドスレピン     (プロチアデン)

 アモキサピン    (アモキサン) 

 

 

四環系抗うつ薬

  一般名      商品名

 マプロチリン   (ルジオミール)

 セチプチリン   (テシプール)

 ミアンセリン   (テトラミド)

 

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