うつ病と間違えやすい病気に「双極性障害」があります。
双極性障害とは、気分が落ち込む「うつ状態」と気分が異常に高揚する「躁状態」が繰り返し現れる精神疾患です。
20歳~30歳頃に発症するケースが多く、男性より女性に多いのが特徴的です。
躁状態になると、気分がハイテンションになり
「金使いが荒くなる」
「一晩中起きている」
「一方的にしゃべり続ける」
「攻撃的な性格になる」
などの症状が現れて、社会的地位や家庭を失うなど深刻な事態をまねくことがあります。
この双極性障害で一番気を付けなければならないのは、「うつ病」と誤診されないことです。
アメリカでは、「双極性障害の37%がうつ病と誤診されている」との調査結果があります。
なぜ、「うつ病」と誤診されてはいけないのか?
うつ病の方は抗うつ薬を服用しますが、双極性障害の方は気分安定薬を服用します。
双極性障害の方が抗うつ薬を服用すると一時的に気分が高まりますが、その後、落ち込みが大きくなってしまうことがあります。
つまり、双極性障害の方がうつ病の薬を飲むとより症状が悪化してしまう場合があるのです。
なぜ、誤診されてしまうのか?
双極性障害は「躁状態」が現れて、はじめてこの病名がつきます、
しかし、通常、本人が病院に行くのは「うつ状態」の時です。
そして本人は、「躁状態」を病気と思っていないため医師に伝えないのです。
そのため、医師も問診などで「躁状態」の病歴を確認できなければ、「うつ病」と診断してしまうからです。
もし、長い間、抗うつ薬を飲んでいても症状が良くならない方は、上記のような「躁状態」がないか確認してみてください。
そして、1つでも当てはまるようなら必ず主治医に伝えてください。
なお、最初はうつ病と診断されていたが、その後に双極性障害に病名変更された場合、障害年金の初診日は、うつ病と診断された日となりますのでご注意ください。