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20歳前の障害基礎年金ってどういう意味?
8月10日のブログで20歳前の障害基礎年金について少しふれましたが、障害基礎年金には2つのタイプがあります。
・初診日が20歳前 = 20歳前の障害基礎年金
・初診日が20歳以降 = 一般的な障害基礎年金
※初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日を言います。
通常、障害年金には保険料納付要件があります。簡単に言いますと、初診日前に保険料の未納期間が多い場合は、障害年金の申請をすることができません。
しかし、20歳前の障害基礎年金は、そもそも初診日に保険料の納付義務がないため、保険料納付要件は問われません。※国民年金の加入は、原則20歳から。
ただし、保険料納付要件がない代わりに、20歳前の障害基礎年金には、独自の支給停止事由があります。その一つが、所得制限です。
--------------日本年金機構ホームページ抜粋------------------
20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられており、所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合には年金額の2分の1相当額に限り支給停止とし、500万1干円を超える場合には全額支給停止とする二段階制がとられています。
また、1人世帯(扶養親族なし)については、所得額が360万4千円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、462万1千円を超える場合に全額支給停止となります。
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※扶養親族の人数、年齢のよって所得制限額が変わります。
この所得制限を超えますと、その年の8月分から翌年7月分まで、年金の全部、又は2分の1が支給停止となります。
ただ、今までの私の審査経験では、新規の20歳前の障害基礎年金の請求で所得制限を超えた人は、1人しかいませんでした。
多くは障害基礎年金を受給した後に就職したり、前年に不動産を売却して所得制限額を超えてしまった場合がほとんどです。
がんと障害年金
めずらしく、障害年金の記事を見つけました。
私は精神疾患専門の社労士ですが、審査部門在籍中、がんの障害年金の等級決定にも関与していましたので、少し記述させていただきます。
-------------------記事要約-----------------------
障害年金は「がん」でも受給できる!
がんが治って仕事に復帰できるのがいちばんだが、それも難しい場合は公的な年金保険の「障害年金」を受給できないか年金事務所に問い合わせてみよう。
「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」には、「悪性新生物による障害」という項目があり、がんも障害年金の給付対象に含まれているのだ。
ただし、がんになれば誰でも障害年金をもらえるわけではない。
がんによる障害は、目に見える分かりやすいものばかりではないため、それが受給の難しさにつながっている面もある。
ダイヤモンド・オンライン 8月12日
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実際にがんの障害年金の申請で一番多いのが「直腸がん(人工肛門造設)」です。
その理由は、人工肛門を造設した事実で障害等級3級となるため審査が通りやすいのです。
また、医療機関で障害年金の申請を勧められるケースもあるそうです。
ただし、障害厚生年金は1級から3級まであるため良いのですが、障害基礎年金は1級から2級までしかないため、人工肛門の造設だけでは障害基礎年金の審査は厳しいのが実情です。
障害認定基準には、がんで障害等級2級になるため、次のように記載されております。
2級 衰弱、又は障害のため、一般状態区分表のウ、又はエに該当するもの
一般状態区分表
ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできな
いが、日中の50%以上は起居しているもの
エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床
しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
この記載だけを見ると、診断書の一般状態区分表が、ウ又はエに〇がつけば2級になりそうですが、実際には、その他にも検査結果や、自覚症状、他覚所見の記載が重視されます。
たまに、自覚症状「なし」と記載のある診断書を見かけますが、主治医にきちんと自身のつらい症状などを伝えなければ、審査は厳しくなりますので注意してください。
このように障害年金に関する記事があると、多くの方に制度を知ってもらえるので嬉しくなりますね。
お盆休みについて
お盆期間の、8月15日(月)、16日(火)は休まず営業いたします。
8月は障害年金の審査部門が最も忙しい時期‼
ついに8月に突入しました。
実は、日本年金機構、障害基礎年金の担当者が1年で最も忙しいのが、この8月なのです。
その理由は、20歳前の障害基礎年金の診断書の審査が8月に集中するからです。
通常の障害年金の更新の診断書は、その方の誕生月に提出して審査を行いますが、20歳前の障害年金を受給されている方は、7月に診断書を提出して、8月以降一気に審査を行います。
この時に所得の審査も同時に行います。
審査担当者は、通常の審査業務に加えて数百枚の診断書の審査を同時並行で行うため、想像以上の忙しさです。
「月に数百枚の診断書の審査なんてできるの?」
と思われる方がいるかもしれませんが、審査担当者は、普段から膨大な数の診断書を見ています。
しかも、障害年金の等級を決めるうえで重要な個所やポイントが分かっているため、そこを重点的に
審査するので案外できるものなのです。
もちろん、それでも激務ですよ。(笑)
なんだか、昔を思い出してきました・・・・・・。(汗)
うつ病とうつ状態と障害年金の診断書
「うつ病とうつ状態ってどう違うのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
普通はありませんよね。(笑)
しかし、障害年金を申請するうえで知っておいたほうが良いことがあります。
うつ病とうつ状態は、簡単にまとめると次の通りです。
うつ病とは、次の症状のうち1と2のどちらかを含む5つ以上の症状が、毎日のように2週間以上続いて 現れ日常生活に支障をきたしている。そして、これらの症状は一般身体疾患や物質依存(薬物、アルコ ールなど)では説明できない場合をいいます。
1.抑うつ気分
2.興味・喜びの著しい減退
3.著しい体重減少・増加、食欲の減退・増加
4.不眠または睡眠過剰
5.精神運動性の焦燥または制止
6.疲労感または気力の減退
7.無価値観、罪責感
8.思考力や集中力の減退、または決断困難
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図
大うつ病性障害 DSM-5の診断基準
うつ状態とは、上記のような症状が出ている状態をいい、病名ではありません。
また、うつ状態というのは単独で症状が出ているだけでなく、他の精神疾患と併用して症状が出てい る場合もあります。
統合失調症+うつ状態
双極性障害+うつ状態
摂食障害 +うつ状態
認知症 +うつ状態
神経症 +うつ状態
審査部門在籍中、私が障害年金の診断書を審査していて、まれに「傷病名 うつ状態」と記載されて いる診断書が出てくるときがあります。
うつ状態とは、あくまでも症状の状態であって病名ではないため、このまま診断書を提出すると障害 年金の審査が厳しくなることが考えられます。
もし、診断書にそのような傷病名を記載された場合は、主治医にきちんとした病名を追記してもらっ てください。
障害年金の審査は、これから厳しくなる‼
日本年金機構で障害年金の審査を行っている部署は、次の二カ所です。
・機構本部 障害年金業務部(障害厚生年金の担当)
・都道府県の事務センター 年金給付グループ(障害基礎年金の担当)
※障害年金の審査業務については、平成28年10月から順次集約され、平成29年度以降、障害年金業務部と年金給付グループを統合して障害年金センター(仮称)を発足予定。
障害年金の審査内容は、同一の認定基準を使用しているため同じのはずですが、実際には障害年金業務部の審査は、かなり厳しいのが実情です。
私の在籍していた茨城県の年金給付グループは、「全国2番目に審査が厳しい」と言われていましたが、障害年金業務部の審査内容をみても「かなり細かいことまで指摘してくるな」といった感じです。
平成29年度以降に発足予定の障害年金センター(仮称)は、障害年金業務部のやり方に統一される可能性が高いので、障害年金の審査はより一層厳しくなることが予想されます。
まずは、ご自身で年金事務所へご相談していただき、「自分で行うのは大変」と思われた方は、障害年金に強い社労士へご依頼ください。
当事務所では、業界では珍しい日本年金機構、障害年金の審査部門出身の社労士が対応いたしますので、障害年金の審査により万全な体制を取ることができます。
審査に強いスズキ事務所の特徴
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